天才軍師 後藤修と歩むスクエア打法

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後藤修と歩むスクエア打法その130 珠玉のエッセイ5/2

time 2019/01/14

後藤修と歩むスクエア打法その130 珠玉のエッセイ5/2

5/1から

そこで、新田式打法の革命点とは何だったのか。「天才が笑いものにされながら改革(理論)を起こし、後年凡人達がそれを “常識” と呼ぶ」といった格言があるが、新田理論はその種のものが多い。例えば「野球でもゴルフでもボディは右へ寄せるものではなく右へネジるものだから、野球の投手だと(伝説の)沢村投手のように、ゴルフだと中村寅吉プロ(当時の第一人者)のようにバックスイングトップの右腰は、”くの字” になっていなくてはならない。」そう言って私は二十才前に、甲子園より何キロか山側へ近い、当時の松竹ロビンス寮で先生からスクラップブックを見せられた記憶がある。「今のプロゴルファーで、こうなっているのは中村寅さんだけだよ」とも先生は言った。

当時私はゴルフをやらなかったが中村寅さんだけは知っていて、だとすれば中村寅さんがダントツで強くて当然と思ったか、それも先生の言葉だったか。今では、その形は当然の常識で、それさえやれば「あーら不思議」でダントツの強さになったりはしないし、弟子の私なんぞは、その後、その常識も「やり過ぎはダメ」と腰の左方向への飛び出し(突き出し)の方を抑える理論も色々作り出しているが、基本は新田式だし、当時の理論はバック・スイング(トップ)は右足一本の直線だったのだ。直線と言えば、当時のインパクト形は野球もゴルフも左腕とクラブ(バット)は一直線というのが科学的理論(“直線”だから “科学的” のイメージがある)とされていた。
新田先生は、これを「野球もゴルフも、ゴルフのアドレスと同じく(左手とクラブやバットは)、ややくの字になるように心掛けなくてはならない」という理論を提出し、これは “笑いもの”、もしくは大抵抗、大物議のタネとなったものだ。

というのは、当時の野球界の打者で第一人者は巨人軍の川上哲治選手で、彼のインパクト形は腕→バットの先まで一直線になっている写真が有名だったりお手本だったりしたものだが、当時新田先生は読売新聞の夕刊に「ここに欠点あり」というシリーズを連載していて、その有名な写真へ直線で正しいバットの位置を書き込んで載せたので、「大選手を欠点とは何だ」となったのだ。だが今では、その “点線” の方が常識になっている。いや、この問題も後継者が引き継ぐと複雑で、それでも天才的な選手はたくさんヒットを打てることは打てる。但しヘッドの位置が低くて “ダフり気味” になり、テキサスヒットが多くなる。それを嫌ってリストをひっくり返すと、内野ゴロ(ゴルフの左チョロや左チーピン)が多くなる。ヤンキースの松井選手も一年目は、その打法だった――― という風に、この問題は現代でもまだ生きているのだが。

アメリカでは以前、ハンドアップ理論はあるがハンドダウンの理論はないなどとも言われていたが、その後はハンドダウンが全盛で、ボールの前にナナメに棒を差し(アドレスのクラブのシャフトと同じ角度で)インパクトでも、そのシャフトへ手(グリップ)が当たらないように打てという練習法まで出ている。ハンドアップ打法は勿論ノーだが、それもやり過ぎで悪い。球は飛ばなくなってしまう。基本的にはハンドダウン形では打たないパターへも悪影響が出る。要は、この問題の答えは “せめぎ合い” であり、新田先生も、この点では「そう心掛ける」と言っているし、その証明的理論としては(そう心掛けることによって)テコの力が発生し、そのテコの力が飛距離(アップ)の原動力になるとも言っているのだ。即ち新田式打法はハンドダウン打法でもなくハンドアップ打法でもない、ダウンブローでもないしアッパーブローでもなく、上から上の打法。そして左腕とクラブ(バット)は一直線でインパクトしないからダフり(野球の速球負け)にはならないし、左チョロにもならない。ボディターンだけでインパクトしないし、手首のコネクリ打ちも違う。その他、昔の理論は「左手は完全に殺し(緩め)右手一本で打て」だったが、新田式では左手(のリード)打法の大重要性を持ち出し、今ではそれが常識以上の弊害にまでなっているので、改めて弟子としては先生の真意を再現することに大わらわなのだ。

先生は打者について、インコースに食い込んでくる(但しゴルフでは食い込んでくる球なんぞない)速球に関しては腰で打つつもりではと言ったが、常日頃インパクトへ顔やら左肩のリードが入ることを特に嫌った。その点、昔から私は先生の教え(リード打法)をそっくり守ったつもりで、やり過ぎになっていた。例えば、投手として快速球を投げようとする時、私はリード過剰でフィニッシュで後ろ足が一歩前へ飛び出し(引っぱり出される?)、自分の背中を捕手へ向けたフィニッシュになった。これはゴルフで言うと、フィニッシュで右足かかとが爪先より前へ飛び出した形とか、極端な場合、打ち終わった後、右足が左足より一歩前へ歩き出した形も、その打法か打法の一種で、これにはそれなりのメリットがない訳ではない(球が速い、よく飛ぶ)。

この打ち方を日本では尾崎健夫がやっているか、石垣もだったか。よく飛ぶけど超一流にはなれない。パターはそうやって打たないからパターへマイナスが行く。いや、エルスがそれをやっているか。藍ちゃんもか。「女と足長の外人は許される」と一応しよう。しかし理想(ベスト)主義の先生はノーと言った。「フィニッシュで後ろ足を前足よりも前へは出してはいけない」と。後日、新田先生が教えた訳ではないが、江夏投手が、その打法を完璧に具現(証明)して見せ、先生の理論は机上の空論ではなかった、と思わせられた。

5/3へつづく

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