天才軍師 後藤修と歩むスクエア打法

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後藤修と歩むスクエア打法その133 珠玉のエッセイ5/5

time 2019/02/05

後藤修と歩むスクエア打法その133 珠玉のエッセイ5/5

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ついでに、私は中嶋の息子に関しては無言だった。その点も尾崎のマネになると予知した?昔、私はよく中嶋の息子(の子供の頃)の顔を見ると、顔を両手で挟んでぶら下げて嫌われたらしいが、その時「この子はいずれプロゴルファーを目指す。その為には、もう少し身長が欲しい」と思ってやったことだ。体重その他は、後でどうにでもなる。だが、あの子は身長不足のプロになると予知していたのだ。

いや、小さいなら小さいでそれもまた良しで、道はある。例えば杉原プロのことを私はいつも「あの年で」とは決して言わない。「近くで見るとよく判る。杉原というのは恐ろしく小さくて細い。だが一流になった」と。「ゴルフは性格劇なのだ」と、そのあと続ける。そして、もう一つ、「しかし杉原は何よりもまずバック・スイングを充分に回すからだ」と続ける。しかし、中嶋の息子は応援団やら芸能人あたりにちやほやされていて、性格劇的にダメだろうと見た。そして小兵者として “杉原のように” 廻すかどうか? その点に関しては、中嶋の研修生に小兵の者がいて、私が「そのスイングはバック・スイング回転ゼロだ。何よりもまず廻せ」と一言教えた折に、中嶋の表情が反対意見らしかった。育たないぞとも私は言ったが、それは息子を暗示していたのだが、今どうしているかは知らない。

どんな者にも一すじの糸(上昇のチャンス)はある。だが、もう一本の糸(助言者)を持って来て二本をより合わせたら強さは倍になる――― と考えたら違う。糸は擦れて切れる。私の打法は皆が笑いものにしつつ実は皆が盗んでいるとかだが、私の先生は、それで許した人だったが師匠二代に亘ってそれでいい(許される)かと私はいつも考える。先生がそうだったから私も、というのは甘いというよりも “違う” のではないか。置き換えが必要だろう。一代目が許したなら二代目は同じことを別の方法で。即ち、私が “したたかなフェアプレー(スクエア打法)” とよく言うのは、それも考えてのことだ。

さて、私の先生は日本のプロ野球の投手の投法に革命をもたらせた人だ。これはゴルフのスイングとは直接の関係はないように見えるが、投手がバック・スイングを終わって切り返しに入った時、従来は全員がボールとそれを握った手(のヒラ)を目標(捕手)へ向けていたのを反対(センター)方向へ向けるべきだの理論を出したのだ(今では、ほぼ全員が常識としてそうしている)。さて、その革命を関係ないように見えるゴルフ・スイングへ置き換えられないか?置き換えた。半分だが理論として置き換えた。もう半分は、それを革命的とも言えるほどの “上達法” として置き換えなくては真の置き換えとは言えないのだが、まずは理論の前に余談的理論を言おうか。

日本の投手がボールを反対方向へ向けるポイントで、アメリカの投手たちの多くは、もっと極端に手首を捻っている者が多い。アメリカ人は手が長くて “ハンドルの遊び” が多いからだ。この投法はスネークハンドと呼ばれているが、日本にも何人かいる。そしてその第一号は私だった。新田先生がそれを極端にやるならこうすると言うのをやってみたらやれたので、それまでは私も手は捕手へ向けていたのをセンターどころか背中の方へ向ける投法に変えたのだ。その投法のメリットは球が速くなることと、前の投法だとたくさん投げているとスグ肩が痛くなってくるのが治ることだった。そしてデメリットは肘が危なくなることと、球は速いがコントロールがない――― になることに?

この投法は、ゴルフだとバック・スイングのトップでヘッドを大きく頭の前へかぶらせる打法だろう。アメリカの超ロング・ヒッターJ・デーリーが代表例、日本では女子に多くて代表例はロングヒッターさくらちゃんか。男子でも以前滝安史というプロがこの打法でナンバーワンのロングヒッターだった。だが、その滝プロがロングホールの第一打を強烈に飛ばし、第二打はウェッジで打って乗らず乗らずのボギーというのをやったのを見ている。デーリーも今はもうスランプで消えかけている。この打法は飛ぶけどコントロールがないになり易い。さくらちゃんは女だから(スイングがゆっくりだから)いいか? 但し「これに限るんだ」とか「これがゴルフだ」などと言ってしまったら、いずれ咎め(スランプ)を受ける。やはり基本はスクエア(直角、平行、バランス感、やり過ぎにならないこと等)を頭に入れた上でないと。

そうは言っても私もそれをやっていた。だから私もよくロングホール第二打ウェッジでボギーとか、ミドルホールワンオン(同然)でボギーなどというのをやった。しかし私の場合は、或る意味でのバランス感覚上、それを90%ワザとやった。と言うのは、私は野球界からゴルフ界へ移った最初の頃、理論家としていきなり新田先生譲りの純正スクエア理論で行きたくはあったが、それだとポッと来たヨソ者めがという反感を買うだろうと感じ、最初の十年ぐらいは自分でプレーしながら、自分で失敗談を繰り広げて行く漫文屋をやった。夏目漱石の愛読者だったから漱石の『坊ちゃん』と『吾輩は猫である』の文体を模写しながら。だが私の場合、ミドルホールをワンオン(同然)した時は、本当にワザとではなくて、あわよくばチップインか遮二無二ワンパットイーグルというのを狙った上で、外れたらボギーにした方が漫文になり易いわ――― といった。そうしながら読者に笑われつつ?チップインとロングパットの技術を磨いておいた。そして後日、尾崎や中嶋の復活作戦を請け負った折、「尾崎は数々のチップインで復活する」「中嶋は数々のロングパットを決めて復活する」という予告つき成功の元としたのだ。

さて、そうこう書いているうちにすっかり紙数を使ってしまった。最初、私は後藤理論は笑いもので、しかも皆で盗んでいる――― の言葉に腹を立て、当欄を打ち切ることを考えた。だが、 「新田先生」と書いた途端に頭も腕(筆)もはずんだ。置き換え理論(企業秘密?)を書く紙数が無くなった。上達法も、もう何本か開発しているし暮れのキャンプではちゃんと “公開” しているが、それも書いている暇が無くなった。アサハカナ、ハマダラカ(ア行の羅列としてよく使われる言葉)。ヨソモノノ、コトノオト(オ行で私の作った言葉)。“ヨソモノ” としては、まずアサハカな漫文を書いていたのだから、“笑いもの” もこれまた成り行きでひとまずは良しか? それに私の文体は漱石の真似だし、理論は新田理論そのもの?だから、盗まれたって腹を立てることはないか? しかし、私はキタナイ生き方が嫌いだ。私が最初に書いたゴルフ漫文は週刊文春の『ジプシー球談』上だったが、その締めくくりで「私のボールは池ヘボ(坊)っちゃーん」という風に「私の文体は夏目漱石のモノマネ(借用)ですよと申告しているのだ。

そしてまた、私はこれまで新田(先生)という言葉をどれほど数多く紙上に乗せていることか。それがやれない者は、いずれ破産するか、交通事故に遭うか、死病に取りつかれると予知しているからだ。だが、純正アマチュアの皆さんは違う。一回千円でも申し訳ないと思う。従って今後もアマの皆さん用には良心的な原稿を書きたいと思うが、今回は始めてみると妙に筆が走ってしまったのだ。

今回やるつもりで次回回しになったものは、「要は純正手打ちと間違った手打ちがあること」コレステロールのように手打ちにも善玉(後藤式=新田式)と悪玉があること。

読み通り、今年は寒い冬になった。寒い冬用の作戦(と室内練習)を充分に立てておいた私には、今も亡き師から送られてくる強運があるらしい。方針は杉原のように、まず廻しておいた上(バックハンド態勢)での手打ち。キャンプでは充分説明し質問にも答えたが、当欄では次回に続きをやるしかない。忘れた。忘れた。謹賀新年の言葉も最初に書き忘れた。改めてまとめると、この冬は名選手の共通点である “ふところ” 造りと、“黄金の手(打ち)” 造り。そこでまずは、この冬をインドアで(パターとウェッジで)球の手前をたくさん素振りする。そして従来我が塾では鏡を見ながらの練習は禁止だったが、最近飛球線後方を見る(手ならぬ顔を向ける)のは良し(新戦術)とした。それがニクラスとタイガーのフォローの切れへつながる。“黄金の手” を作る為に、各種の体操類には全て手と指を参加させる。「分散和音」という言葉を以前使ったが、名選手のスイングを私はよく黄金の手打ちと言うし、ヘボ選手をよく(顔、肩、腰、全部一緒くたの)だんご打法と言う。「ホンモノノ、コトノオト」この暗号名から、これからまた幾つかの新戦術を創り出そう。  ・・・完

5/1から改めて読み返すと2005年に書かれたこのエッセイには、”後出しジャンケン” ではない「予言」に「企業秘密」が読み取れる・・・と考えるのはオイラだけではないと思うが?

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